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応急手当にはさまざまなものがありますが、特に心疾患(心筋梗塞や不整脈など)により突然に心臓が止まった傷病者の命を救うためには、心肺蘇生(気道の確保、人工呼吸、心臓マッサージ)を行うとともに、心臓への除細動(電気ショック)を速やかに行うことがとても重要なことです。

平成16年7月から、一般の人もAEDを用いて除細動を行えるようになり、「救命の連鎖」の輪が広がっています。

AEDを用いた心肺蘇生法

もし、突然身近で人が倒れたら・・・。救急車が来てくれるまで、ただ手をこまねいて見ていたら救命のチャンスは大きく遠ざかってしまいます。しかし、身近にいた人が応急手当を行えば助かるチャンスはぐんと増えます。
ここで、AEDを用いた心肺蘇生法の仕方を紹介します。もしかの時にお役に立てれば幸いです。
 
「もし」というときのために、心肺蘇生法を身につけておくことをぜひお薦めします。講習会の受講については、日高広域消防本部(電話 0738-63-1119)か、同消防本部南部出張所(電話0739-74-3119)へお申し込みください。

AED、救急隊員が到着するまで

1 意識の確認

1.意識の確認傷病者に近づき、その耳元で「大丈夫ですか?」、「もしもし」などと呼びかけながら、傷病者の肩を軽くたたき、反応があるかないかを見る。

  • 呼びかけなどに応じて目をあけたり、何らかの反応があれば「意識あり」。何も反応がなければ「意識なし」と判断する。
  • 交通事故などで、頭や首にけががある場合やその疑いがあるときは、体を揺すったり首を動かしてはならない。
  • 意識があれば傷病者の訴えを聞き、必要な応急手当を行う。

2 助けを呼ぶ

2.助けを呼ぶ意識がなければ、大きな声で「だれか119番通報をして」、「だれかAEDを持って来て」と助けを求める。

  • 協力者が来たら、119番へ通報し救急車を要請してもらう。そしてAEDを持ってきてもらう。
    もし、だれもいなければ、119番通報を行ってから、AEDを持ってくる。

3 気道の確保(空気が鼻や口から肺に達するまでの通路を開く)

3.気道の確保片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先(おとがい部)に当て、これを持ち上げ、気道を確保する。

  • 指で下あごも柔らかい部分を圧迫しない。
  • 頭を無理に後ろに反らせない。

4 呼吸を調べる

  1. 4.呼吸を調べる 気道を確保した状態で、自分の顔を傷病者の胸部側に向ける。
  2. 頬を傷病者の口・鼻に近づけ、呼吸の音を確認するとともに、自分の頬に傷病者の吐く息を感じ取る。
  3. 傷病者の胸腹部を注視し、胸や腹部の上下の動きを見る。
  4. 10秒以内で調べる。
    • 頬はできるだけ傷病者の口・鼻に近づける。
    • 呼吸音も聞こえず、吐く息も感じられず、胸腹部の動きがなかったり、それらが不十分な場合には、「呼吸なし」と判断する。

【参考】回復体位(側臥位)
回復体位(側臥位)

  • 意識はないが十分な呼吸をしている場合には、吐瀉物などによる窒息を防ぐため、傷病者を回復体位にする。
  • 下あごを前に出し、両肘を曲げ、上側の膝を約90度曲げて、傷病者が後ろに倒れないようにする。

5 人工呼吸 (口対口人工呼吸により、肺に空気を送り込む)

  1. 呼吸がなければ人工呼吸を開始する。
  2. 気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまむ。
  3. 口を大きくあけて傷病者の口を覆い、空気が漏れないようにして、息をゆっくりと2回吹き込む。
  4. 傷病者の胸の動きと呼気を確認する。
    • ゆっくりと約2秒かけて2回吹き込む。
    • 吹き込む量は、傷病者の胸が軽くふくらむ程度〔500ml~800ml(10ml/体重1kg)〕とする。
    • 吹き込んだときにスムーズに吹き込みができなかった場合は、もう一度首をもどして、気道確保をやり直し、息を吹き込む。
    • どうしても口対口人工呼吸をすることに抵抗がある場合は、ハンカチを傷病者の口に置いて行ってもかまわない。
    • もし、傷病者に傷や出血があってできない場合や、救助者の皮膚や口の周りに傷がある場合には、口対口人工呼吸を行わないで心臓マッサージのみを行ってもよい。
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6 循環のサインを調べる (心臓の脈拍の状態を調べる)

  1. 傷病者の口に耳を近づけて、次の兆候(循環のサイン)の有無を調べる
    • 呼吸をしているか?(目で胸の動きを見たり、呼吸の音を聞く)
    • 咳をしているか?
    • 体に何らかの動きが見られるか?
  2. 循環のサインは10秒以内に調べる。
    • これらの兆候がなかったり、明らかでない場合には、循環のサインなしと判断し、直ちに心臓マッサージを開始する。
    • 兆候のいずれかが見られる場合は、循環のサインがあり、心停止でないと判断する。

7 心臓マッサージ (胸骨圧迫心臓マッサージにより、酸素の含まれた血液を循環させる)

  1. 循環のサインがない場合は、直ちに心臓マッサージを開始する。
    心臓の位置 圧迫部位
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    心臓マッサージの手を置く位置の見つけ方
    胸部の一番下の肋骨を人差し指と中指の2本の指でふれる。
    そのまま2本の指を、肋骨の縁に沿って胸の真ん中まで、すべるように移動させる。
    真ん中のヤマ形の頂点のところで指を止め、それに並べるようにもう一方の手の付け根を置く。この置かれた手の付け根の位置が圧迫部位となる。

    【参考】手を置く位置を大まかに知る方法
    左右の乳首の中間の胸の上(胸骨の下半分)に、片方の手の付け根を置く。
     
  2. 圧迫部位の上に置いた手の上に、他方の手を重ねる。(両手の指を交互に組んでもよい)
  3. 肘をまっすぐに伸ばして体重をかけ、胸を3.5~5cm圧迫する。
        胸骨に当てる部分   垂直に圧迫する
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8 心肺蘇生法の実施 (心臓マッサージ30回と人工呼吸2回の組み合わせを継続する)

  1. 23.jpg30回の心臓マッサージと、2回の人工呼吸のサイクル(30:2)を繰り返す。
  2. 人工呼吸は1回の吹き込み時間に2秒かけて、5秒に1回の速さで行う。
  3. 最初に、心臓マッサージ30回と人工呼吸2回のサイクルを4サイクル行った後に、循環のサインの有無を10秒以内に調べる。その後は、心臓マッサージ30回と人工呼吸2回のサイクルを繰り返し、2~3分ごとに、循環のサインの有無を10秒以内に調べる。
    • 心臓マッサージ30回と人工呼吸2回のサイクルを、AEDが届くまで続ける。
    • もし途中で循環のサインが見られた場合には、呼吸が不十分であれば人工呼吸のみを続け、十分な呼吸も見られるならば、気道を確保しながら快復体位にする。

AEDが到着したら

(役場に常備しているAEDは、セコム㈱のCR Plus です)

AEDを使用する前に

  • 8歳未満、または体重25kg以下の小児には使用しない
  • 貴金属類はあらかじめ取り外しておく
  • 体が濡れている時は、胸の部分をタオルなどで拭き取る
  • 自動解析中や除細動ボタンを押す時は傷病者の体にふれない

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  1. キャリングケースを開き、AED本体のふた開放ボタンを押す。
     (音声ガイダンスが始まるので、以降、その指示に従う)
  2. 傷病者の胸部の衣服をはだけて素肌を露出させる。
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  3. 赤いハンドルを手前に引き上げると、電極パッド袋が破けて開封される。
  4. 電極パッドを袋から出し、青色のプラスチックから1枚ずつはがす。
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  5. 電極パッドを、パッド表面に印刷された図の通りに胸部に貼る。
    (右胸は鎖骨の下、左胸は脇の下5~8cm)
    (電極パッドは、粘着面を皮膚に完全に密着させる。一度貼ったら、貼り直さない)
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  6. 電極パッドを貼ると、AEDが傷病者の心臓のリズムを自動解析するので、終了するまで離れて待つ。
  7. 傷病者に誰も触れていないことを確認して、通電ボタンを押す。
  8. 電気ショック(通電)を与えた後、AEDが心臓のリズムを自動解析する。
  9. 正常な呼吸・せき・体の動きなど、傷病者の様子を耳と目でよく観察して、「循環のサイン」を確認する。
    →循環のサインが確認できた場合
    救急車が到着するまで電源は入れたままで、電極パッドは貼ったまま救急隊員に引き継ぐ。
    →循環のサインが確認できなかった場合
    1分間、心臓マッサージと人工呼吸をする。その後はAEDの音声ガイダンスに従う。救急車が到着するまで電源は入れたままで、電極パッドは貼ったまま救急隊員に引き継ぐ。

ご苦労様でした。後は救急隊員におまかせください。

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お問い合わせ先

住民福祉課
電話:0739-72-2161 FAX:0739-72-3893
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