| みなべの浜には毎年5月ごろから、人気者のお客様が訪れます。 アカウミガメが卵を産みにやって来るのです。 産卵は8月中にほぼ終わり、今度はふ化が始まります。 アカウミガメの成熟体は、甲長がおよそ80センチほど。雑食性で、海藻やウニ、クラゲ、小魚などを食べます。人間が海に捨てたビニールをクラゲと勘違いして食べて死んでしまうカメもいます。ですから、カメや他の生き物のためにも海へものを捨てないでくださいね。 |
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| ウミガメの観察をご希望の皆様へ |
5月から8月上旬にかけて、千里の浜や岩代の浜などへ産卵にやってくるカメは、アカウミガメです。日本列島に来るウミガメのほとんどがこの種類で、はるか東シナ海から回遊して来ます。 ウミガメの産卵では屋久島が有名ですが、本州に限っていえば千里の浜や岩代の浜があるみなべ町の産卵数がトップなのです。
ウミガメの生態はまだ謎の部分が多いのですが、最近では、日本列島で生まれた子ガメたちが、2~3年かけてアメリカ西海岸やメキシコ付近へ渡り、20年ほどたって成熟すると、再び日本へ産卵に向かうということが分かってきました。途方もない大航海です。その後、成熟体のグループは、アメリカではなく東シナ海付近へ回遊し、産卵シーズンが訪れると、集団で再び日本へ向かうと考えられています。
カメの産卵は夜間に行われます。卵が水に浸かると死んでしまうため、親ガメは高潮線よりも上の砂地を選びます。カメは音やにおい、光に敏感で、少しでも危険を感じると海へ戻ってしまいます。上陸して卵を産み、海へ戻るまで約2時間、本当に大仕事です。
卵は2か月ほどでふ化し、子ガメたちは夜を待って海に向かいます。子ガメは明るさで海の位置を知ります。夜間は海面が反射して明るいからです。この時、人工灯が当たると、子ガメは方向を誤ってしまいます。親ガメが光のある浜をいやがるのは、そんな理由があるのかも知れません。
カメが小さいうちは鳥や魚の餌食になることが多く、成長するのはごくわずかです。 1シーズンに千里の浜や岩代の浜へ産み落とされた卵のうち、成熟体になるのは1~2匹ぐらいではないではないかといわれています。それが自然の摂理とはいえ、1匹でも多くの子ガメが大きくなって、千里の浜や岩代の浜へ戻って来てほしいものです。
2008年は、5月17日に初上陸産卵が見られ、前年より3日の遅れと、隔年毎に増減を繰り返したことから、あまり期待できないと考えていました。
ところが、5月の上陸産卵回数は大幅に増え、前年の約5倍でした。その後も途絶えることなく上陸し、産卵しました。激増です。
最終の結果は、昨年の約4倍。92年の水準まで回復したことになります。
また、シーズンを通して上陸日数は89日、産卵日数は84日。上陸日数の内、非産卵日数はわずかに5日でした。
次に台風の襲来も直接的なものはなく、高波による被害もほとんどありませんでした。それで砂浜の状態は前年と変化がなく、前年までの砂の流出によって現れていた岩礁地帯は、わずかであるが砂に被われた感じがします。
個体識別頭数は、新規個体と回帰個体を合わせて92年当時の個体数になりました。これも昨年の4倍です。
台風による影響もなく高波も少なかったため、全産卵巣の内90%近い産卵巣の孵化状況を調べることができました。その孵化率は50%を大きく超えたことで、おおむね良好な成績でした。ただし、30巣以上の産卵巣が外来生物と考えられる小動物によって食害を受けました。
観察者は前年より2団体以上増えて700人余でした。ウミガメ協議会の研修生と、町青年クラブのメンバーがこれに対応しました。
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上のグラフは、2008年、アカウミガメの千里の浜への上陸と産卵状況です。見比べてみていただいたらお分かりのように、上陸したウミガメがすべて産卵するわけではありません。穴掘りに失敗して諦めたり、灯りや騒音に驚いたりして、産卵せずに海へ戻ってしまうものが約半分です。
産卵期は5月から8月までに及び、6月下旬から7月上旬がピークになります。ピークのころには毎日産卵がありますが、産卵期の初期や終期には上陸すらしない日もあります。
| ※2006年の報告・上陸と産卵回数 |
| ※2007年の報告・上陸と産卵回数 |
| 年 | 上陸期間 | 上陸回数 | 産卵回数 | 年 | 上陸期間 | 上陸回数 | 産卵回数 |
| '81 | 5/20~8/26 | 未調査 | 115 | '96 | 5/13~8/17 | 221 | 112 |
| '82 | 5/17~9/1 | 〃 | 171 | '97 | 5/10~8/14 | 140 | 56 |
| '83 | 5/16~8/17 | 〃 | 98 | '98 | 5/7~7/29 | 69 | 29 |
| '84 | 5/22~8/17 | 〃 | 145 | '99 | 5/16~8/12 | 178 | 85 |
| '85 | 5/17~8/19 | 〃 | 190 | '00 | 5/17~8/20 | 136 | 73 |
| '86 | 5/15~9/7 | 〃 | 122 | '01 | 5/10~8/13 | 189 | 95 |
| '87 | 5/14~8/20 | 〃 | 145 | '02 | 5/17~8/11 | 143 | 61 |
| '88 | 4/30~8/25 | 〃 | 150 | '03 | 5/15~8/22 | 155 | 75 |
| '89 | 5/17~9/7 | 〃 | 201 | '04 | 5/16~8/6 | 286 | 92 |
| '90 | 5/8~8/27 | 900 | 328 | '05 | 5/22~8/20 | 221 | 121 |
| '91 | 5/9~8/24 | 786 | 348 | '06 | 5/24~8/28 | 88 | 45 |
| '92 | 5/9~8/18 | 456 | 228 | '07 | 5/14~8/24 | 159 | 67 |
| '93 | 5/7~8/26 | 506 | 250 | '08 | 5/17~8/20 | 464 | 269 |
| '94 | 5/9~8/24 | 485 | 162 | ||||
| '95 | 5/10~8/14 | 390 | 176 |
千里の浜のアカウミガメを観察したい方は、みなべ町教育委員会への許可申請が必要です。
| ダウンロード用 | 「ウミガメ観察申請書」(PDF) |
| ※ | 電子メールでも申請できます。ご希望の方は、「住所」「氏名」「電話番号」「観察希望日」「参加人数」「観察目的」を明記の上、次のアドレスへ送信してください。 みなべ町お問い合わせ窓口 (kyoiku@town.minabe.lg.jp) |
観察に来られたら、カメさんが安心して上陸し、また落ち着いて産卵できるよう、次の注意事項を厳守して、ウミガメ研究班、または監視員の指示に従って観察してください。
| ① | 浜でライトは照らさないでください。 |
| ② | 大きな声をたてないでください。 |
| ③ | フラッシュ、ストロボ撮影は厳禁です。 |
| ④ | カメさんが産卵し始めるまでは近寄らないでください。 |
| ⑤ | ごみくず、空き缶、空きビンなどを放置しないでください(お持ち帰りください) |
| ⑥ | カメさんの卵の発掘は厳禁です。 |
| ⑦ | 千里の浜への車の乗り入れは、和歌山県条例の規定により禁止されています。 |
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| ①上陸(観察できません) | ②穴掘り開始(観察できません) | ③産卵(20~30分・観察できます) | ④穴埋め(20~30分・観察できます) | ⑤降海(観察できません) |
| 暗くなると浜に上陸してきます。警戒心が強く、光や音、においに敏感です。良い産卵場所が見つからず、そのまま引き返してしまうこともあります。 | 産卵場所が決まると、後ろ足をショベルのように曲げ、交互に使って穴を掘っていきます。直径20~30cm、深さ50~60cmの穴になるまで掘ります。 | 穴掘りが終わると、すぐに後ろ足を左右に開いてふんばります。1回の産卵で約100個の卵を産みます。 | 産卵が終わると、後ろ足で砂をかき集めて埋め戻しをします。両足でしっかりと押し固め、地面をならします。それから前足を使って周辺の砂を後方へはね飛ばし、どこに産卵したのか分からないようにします。 | 何度も休みながらゆっくりと海へ戻ります。2~3週間もすると再び産卵にやってきます。シーズン中は2~3回産卵します。卵は砂のなかで太陽と地熱に温められ、約2か月ほどで自然に孵化します。 |